漆器の取り扱い

漆器は確かにデリケートな一面も持っていますが、軽く落としても割れにくいので、ガラスや陶器に比べて楽に取り扱うことができます。手洗いし拭き上げしたくなる器こそ本物の器といえるでしょう。何層にも重ね塗られた 桂月堂 の器は、使えば使うほど美しく育ちます。ほんのわずかの気配りで、美しい漆の肌をいつまでも楽しむことができるでしょう。また、漆器は強い抗菌効果を持っています。純正な漆ほどその効果が高いといわれています。
使いはじめの器は最初に湯通しをしてください。手が入る程度の、やや熱めのお湯にしばらく浸けるとよいでしょう。

 

電子レンジの使用は避けて下さい。理由として、熱風が長時間 器にあたる事で木地が膨張し、終わると縮小。その繰り返しで木地が割れる可能性があります。 10回、20回、30回 の利用で割れる事はありませんが、可能性がある行為はお勧めしません。

 

 

冷蔵庫へ長時間入れる事は避けて下さい。庫内はとても乾燥していますので、木地が割れる可能性があります。

 

 

食洗機の使用は避けて下さい。天然木・天然漆を利用してますので、高温により炭化する事があります。

 

 

屋外で使用の際は、長く日光にあてないようにしてください。目安は、人の肌が日光浴に耐える時間。その程度なら漆も大丈夫です。

漆の匂いは塗面の硬度経過の目安です。時間が経てば自然と抜けます。温かいものは沸騰したお湯程度まで使用できます。

漆器は保温力があるので、冷たいものにも適しています。氷の硬度では傷もつきません。

桂月堂の器は長く水に浸けてもまったく品質に影響ありません。でも、ものには限度があるので 何時間も ずーっと浸け置くのは辞めて下さいね。

 

 

普段使いの漆器の洗い方・片付け方

塗り物だけを まとめて洗う

洗い桶の中で異質の材料の食器と ごちゃごちゃ混ぜ入れて ぶつけあうのは、傷のもとになりやすいので、ガラスや陶磁器とは別にして、同じ手つきで洗いものを楽しんで下さい。

 

ひたしておいて ぬるま湯で

漆器を使ったあとは、料理のカスがこびりつかないよう、乾かぬうちに流しへ。 我が家で やってる洗い方は、先ずは お風呂位の温度(40度くらい)のお湯に10分ほど浸けてます。温度と水分により付着物がふやけて剥がれたころ、スポンジの柔らかい方に中性洗剤をつけ 何回かニギニギして スポンジが泡泡になったら その泡で洗います。あとは水かお湯で泡を流して水を切るだけ。片づける前にタオルで軽く拭いて下さい。それで大丈夫です。

 

漆器は漆器で まとめて

水切かごで充分乾燥させた漆器。使いまわしのものは食器棚に、めったに使わないものは箱入りにして収納。漆器は、ガラスの器や 焼き物の器と ぶつけあいたくないし 重ね合わせたくないので、できれば 漆器は漆器どうし まとめて収納して下さい。

 

使いまわす器は 見える収納

料理を盛るには色、柄、肌あい、大きさ、深さ、それぞれの取り合わせの妙で、料理が活き、食器が活きます。使いまわしの食器は、目で見て探せるように、見える収納がおすすめです。

 

「輪島塗」だから修繕がききます

漆器はよく使いまわすほど、ぶつけたり、火にあてたりのうっかり事故もあり、そうでなくても長い間には、やはり傷が目立ってきます。

使いなじんできただけに、修繕して使いつづけたい。

修繕がきく(傷みを直せる)のは、丈大な下地に塗り重ねた輪島塗ならではの特徴です。